漫画界の巨匠・梶原一騎は、生涯を通じて「男の美しい生き方」を追求し続けた。その集大成とも言える作品が、かざま鋭二との共作『青春山脈』である。本作は、戦前から現代に至る激動の時代を背景に、主人公・火野正の壮絶な生き様を描いている。
火野正の生きざまと兄への敬愛
火野正は、特攻で散った兄・直彦への深い敬愛を胸に秘めて生きる。兄の死は彼の人生に大きな影響を与え、その後の行動原理となる。兄嫁との関係や、甥への思いなど、家族との複雑な絆が物語の核となっている。
過酷な運命と揺るぎない信念
火野は、ヤクザの世界に身を投じ、左腕を失うなどの過酷な運命に翻弄される。しかし、彼の胸にはストイックな美学が揺るぎなく存在し、自らの信じる価値を毀損する者とは徹底的に戦う姿勢を貫く。この生き様は、梶原一騎が描きたかった男の美しさの理想像そのものである。
自裁という究極の選択
老いた火野は、自らの半生を振り返り「つまらない人生だった」と述懐する。しかし、彼の自裁は悲観からの逃避ではない。甥やその子である姪孫が、自分の存在によって大人になりきれないことを悟り、彼らの成長を促すための火野らしい悲しい選択であり、彼自身が打った人生の句読点であった。
梶原一騎のライフワークとしての『男の美しさ』
『青春山脈』は、梶原一騎が生涯を通じて追求した描こうとして「男の美しい生き方」のひとつ結晶である。主人公火野正の生き様は、過酷で理不尽な環境の中で成長し、胸の中に揺るぎない美学を持ち続ける男の姿を描いている。この作品を通じて、梶原一騎は男の生き方の極北を提示している。
『青春山脈』は、男の美学を深く追求した作品であり、梶原一騎のライフワークとして読む価値がある、と理屈コネ太郎は思う。
因みに、理屈コネ太郎がこの作品に痺れたのは、小学生の頃だったとおもう。ませた子供だったのだろう。
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